遺言状は15歳から

 綾戸母は最近車の免許を取った。最近、って、ホントに最近で、ここ2週間の話である。まだ「運転してみたい気持ち」と「でも恐い気持ち」が交錯しているようで、私が実家に帰ってきたときもバス停まで車を運転してきて、「周り見ててよ!」とノロノロ運転をしていた。一人で遠出(といっても走行距離2kmないくらいだが)をしたのは初めてらしい。ブレーキを踏むのが急でカクカクするけど、まあ…弟の時ほど恐くはないかな…。
 今日は近く(やはり2km弱先)のケーキ屋さんまでケーキを買いに行くとのこと。助手席に乗れというので「遺言状を書くわ」と軽口をたたいてやる。その後の会話。
 父「遺言…書くほどあるんか?」
 綾「『わしが死んだことは、3年は隠しておけ♪』」
 母「……誰に…(苦笑)」
 綾「『そして影武者を立てるのじゃ…よいな♪』」
 父「影武者、何して働くんだ…?」