学区民運動会

 決して自分が住んでいる場所の運動会ではない。勤め先の小学校の学区民だ。なのに教員は強制参加。学区を8つに分けて子ども会を作っているのだが、「先生チーム」も参加させられるらしい。得点を争って毎年優勝チームを決めるのに、先生チームには得点なし。タダの妨害者。……参加させてくれなくていい。
 朝からお子ちゃま達も妙なテンションである。自分達の出番は30種目のうち基本的に2種目しかない。盛り上がりそうで、暇をもてあまして盛り下がる。地区対抗リレーに出場する子なんかは朝から緊張気味だったりするのだが、そうでもない子はずーっと砂いじりか、友達いじって喧嘩である。見ていて少々気の毒だったりする。
 ところが今日の私はそれどころではない。7年ぶりくらいに100m全力疾走させられるのだ。6人で600mリレー…私が出る種目じゃないと思うんだけど…。招集をかけられ、同じく強制参加させられたMさんとIさん、新しく来たWさんと給食のY先生で「怪我しないように、そこそこ頑張ろうよね。転んだら恥ずかしいしさ。ね♪」と協定を結ぶ。が。10年間この種目に出続けているという元陸上選手の先生が来て「私アンカーで良いから、Wさん最初ね。それから…」と指示が出た。ひー。待機場所で座っていると、5年生担任でいつも楽しいH先生がふらっと来た。私を呼んで、ひそっと耳打ち。
H「綾戸さん綾戸さん、あのな…」
綾「…はい、何でしょう(つられて小声)」
H「無理してでも頑張るんよ!」
綾「Σ(゜Д゜;) えーっと…無理するな、って言われるのかと…」
H「何言っとるん。若いんじゃけ、無理しようが何しようが!」
綾「Σ゜ ゜ ( Д ;)」
 自分だけにこの言葉をかけられるのではあまりに切ないので、もっと若い人たちに「伝令」といって伝えた(笑) 結果、第1走者のWさんがぎりぎりで1位を走っていたのですが第2走者のY先生が転倒、5位。Iさん、Mさん、綾戸と差を縮めるもそのままキープしていたら、流石の10年選手E先生が2人も抜いて結局3位。すげー…。もー、100mが長い長い。足は走るんだけど、身体がついて行かない。ふわふわ浮きそうな感じ。…とE先生に言ったら、「その気持ちはよく分かる。でもあと10年はそれ言っちゃダメ!」と言われてしまった。…鍛えます…。
 午前中はもう1種目(これは平和だった)に出て、終了。午後はもう出番もなく見ているだけ。お子ちゃま達は「春は子どもの運動会で、秋は大人の運動会?」と的確な表現。午後は同じく出番がないので、帰ってしまうお子ちゃま続出。というか、ほとんど残ってない。
 片づけは人数が多いのであっという間。少し地域の皆様にねぎらっていただいて、さっさと帰る。すでに足はぱんぱん。お風呂でかなり揉んでおいたけど、明日は筋肉痛だろうなあ…。