ちょっと慣れて来た。

 新しい学校で勤め始めて一週間。ようやく21人の1年生の名前と顔がほぼ一致し、すんなりと声がかけられるようになってきた。担任ではないけれども、新たに担任となった元級外のN先生は忙しすぎるので、代わりに私がほとんど担任業務をこなしていて、子どもたちも「N先生と綾戸先生、どっちが担任の先生?」と聞いてくるほど。対外的なこともあるし、きっと子どものことだから帰って親にも話すんだろうし…と思って「N先生だよ〜」と言っておく。でも、自分の気分的にはほぼ担任。
 毎日1時間目は3年生の算数の補助に入り、今日は5年生の先生が出張だったので、誰も空いていなかった6時間目に急遽入った。テストの監視くらいだけど。5年生は担任の先生がとってもとってもユニークな方なので、子どもたちもなかなかのセンス。教室を見渡すと、習字の作品が貼ってあった。12人の書く文字がそれぞれ違う。最後の作品で好きなものでも書いたのかしら…。
綾「これ(作品)ってさ、どうしてみんな違うの?」
男の子「これはねー、なんて言うのかな…自分の…
    うーん、今いる場所?」
綾「『竹輪』がか。」
 『眼鏡』とか『破壊』とか。そんなところに居るなよ…。聞いてみたら答えてくれた子も『闇』って書いてたけど…それはそれでどうなんだよ。
 人数が少ないので、アットホームな空気で、不登校の子もいない。だけど、アットホームすぎてにぎやかで人の話を聞くけじめがないのがこの学校の子どもの欠点だと思ったし、今日話をした教頭も同じことを言っていた。
 子どもたちと過ごすのはあと1週間ちょいなんだけど、まあ…この学校なら4月からの赴任先としては上々なのではないかなぁ…と、ちょっと思ってみた。