久しぶりの再会

 今日は前に行っていた小学校の体育発表会。うちの学校と重ならなくてよかった、と思いつつ、ちょっと覗いてみることにする。
 最初は本当に、ちょっと覗いて帰ろうと思っていたのだ。それでも朝一番に行ったのは、応援合戦を見たかったから。去年私のクラスで、手塩にかけた(というか、手のかかった)カツが応援団長を目指していたから、それを見届けてやりたかったのだ。ところが、行ってみてさっそく数人に会うと
 「センセ!私団長なんよ!」
 「えー!アンちゃん団長? すごいじゃない。もう一人は?」
 「エイト君!」
 「おー! あれ?カツは?」
 「カッちゃん? エイト君にじゃんけんで負けたん〜」
 あーあーあーあー…。後から養護の先生が「カッちゃんなぁ、じゃんけんで負けて、すっごい落ち込んどったんよー。もう見るのもかわいそうなくらい…」と言っていた。そうだろうなぁ。実際にカツに会い、話を聞いてみると、残念そうだったけど、もう割り切っている感じだった。そーか。がんばれ。
 他の子達にもどしどし会い、周りにいっぱい囲まれて「センセ、騎馬戦するんよ!」「センセ!俺らも見て〜!」「センセ、最後までおるんじゃろ?」「リレーは最後なんよ!」と口々に言われると…うー、全部見てやりたい。しかし、今日のようないい天気なら、最後のリレーなんて午後の2時くらいから。となると…お昼ご飯どうしようかなぁ。結局、午前はずっといて、昼休憩は家に食べに帰って、リレーをまた見に来ることにする。今日は5時からフルートもあるんだけど…昼寝もしたかったんだけど…まあ、いいか。本部席に行っていろんな先生達にあいさつをして、来賓席に通されてしまい、名簿にも名前を書かされる。所属に「6年生保護者」って書いてやろうかと思ったけど、流石にアレなので、この3月いっぱいで退職された先生と一緒に「元教員」と書くことにする。何だか…私もやめちゃったみたいな書き方だけど(笑)
 応援合戦、やっぱり声が小さいけれど、仕方ないか。カツが後ろの列に引っ込んでいたのでびっくりした。でも一番大きな声を出して頑張っていたのは立派。ナツミとショウは放送係。「センセ、私晴れ舞台なんよ♪」とナツミが一番に報告してくれた。そりゃそうだよねぇ。
 騎馬戦。初の試み。相手を倒したらだめ、というルールだったようで、お子ちゃま達は苦労していた。「帽子を取られたら負けなんよ。俺みたいに背が低いと不利!」とごねていたヨシアキだったが、ヤツが一番強かったり(笑) で、強いことがみんなに分かっているので集中砲火を食らったらしい。同じ背が低くて強かったのがシュウスケ。すばしっこい方がいいのかな。笑ったのは、ヨシアキとカズキの愚痴。
「選手宣誓で『正々堂々と勝負することを誓います!』って言ったくせにさー
 集中攻撃してくるんだよ、3〜4人で。
 そんなん負けるに決まってるじゃん!どこが正々堂々よ!」
 それはずるいんじゃなくて作戦って言うんだってば。「当たり前のことよ。そこで勝つのが強いんじゃんか」と言ってやった。
 午前のメインはラス前の組み体操と、ラストの綱引き。今年の組み体操はほとんど音楽を使わなくて、S先生が朝礼台の上で太鼓をたたいていた。かっこいー♪ でも和太鼓の音と「Be ambitious」というタイトルが合わない気が…(苦笑) 組み体操の話をお子ちゃま達としていたときに、えふ子ちゃんが「女子が割り切れなくて、男の子とサボテン(技の名前)しなきゃいけないんだよー。ヤダ気持ち悪い!」と憤慨していた(苦笑) まあそう言うな。3段の塔が立たなくて…という噂は聞いていたけど、人数を増やした3段の塔をきれいに決めていた。なるほど、土台をしっかりさせれば何とかなるんだね。綱引きは…黄色弱すぎ。
 他の学年が競技をしている間に、よくしゃべった。児童席に行っていたこともあり、何故か周りを6年生で囲まれている。ユーマは後ろから髪を引っ張って白髪を捜すわ、アサミはいきなり脇をくすぐってくるわ、カツは背中に座ってくるわ、ヨシアキとカズキとケンゴは私の周りでしゃべり倒してるわ…何一つ変わってないな君たち。地面にぺったり座っている私を見かねて(?)H先生が児童テントの隣にある得点・準備テントの先生用パイプ椅子を勧めてくれた。そこに座ると…いつの間にか6年生が児童テントからほぼ全員準備テントに引っ越してきている。おとなしく座っているから他の先生達は文句言わなかったけど…ふつう怒られてるぞ?
 午後のラストで発表会そのもののメインになりつつあるリレー。5・6年生で走るのだが、見てる方ははらはらするもので。午後一のPTA綱引きの時に、カツが怪我をしてしまったようで、脛がぽっこり腫れるくらいの打ち身。それでも「走るんじゃ!」と息巻いていた。いいぞ、そのイキだ。他の子達も「頑張って来い!」と声をかけたら「おう!」と返事。このノリ懐かしい。5年生は、あの子達が2年生の時に担任をしていたので、「まー背も足も伸びて〜」と近所のおばちゃん状態。6年生達にバトンがつながると、もう応援にも熱が入ります。写真を撮ってやるつもりでいたのに、結局ずっと叫び倒していた。ちょっと一悶着あったのだけど、しょうがない。ヒカル、分かってあげなさい。
 結局最後の閉会式まで全部見てしまった…(苦笑) 「センセも片づけしていってー」とサチコ達がもだえていたけれど、私は帰るもんね。自分の所の片づけも明日あるのに、人の所までしないわ(笑)
 よく頑張っていたから、負けちゃった赤のチームは数人泣いていたけれど、それでもきっと思い出に残る体育発表会になったのでしょう。全員の頭をなでてやりたいくらいの、イイ発表会でした。