突然の訃報

 寒かったので珍しくアルコールを摂取していた所へ、携帯電話が鳴った。前の学校の先生から。研究会もうちと同じ日なのにお誘いでもかけてきたのかな…と思っていたら、いきなり言われた。
「T先生の旦那さんが亡くなったの、聞いとる?」
びっくりした。今日がお通夜だったのだそうだ。3年前に同じ2年生を持ち、とってもお世話になったT先生。旦那さまにはお会いしたことはないけれども、高校生の時からのつきあいで、学生結婚で、「恋女房」「恋旦那(?)」なのだという話はよく(他の先生から)聞いていた。T先生は口が悪いから、自分ではそんなことは仰らなかったけれども、ちらっと一度冗談っぽく「キムタクは、3番目。1番は、そりゃぁ旦那って言っておかなきゃね。2番?息子」と口にされていた。旦那様がお家で事務所を開いていらっしゃるから、定時が来たら「早く帰らないとうるさいんだから…」とそそくさ帰っていた。旦那様の誕生日にケーキを買うことを考えて、「ホールでケーキを買っても良いんだけど、同じ味で飽きるでしょ?だから、切ったのを8つ買って、円形にして持って帰ろうかな。で、一番良いのは私の。当たり前じゃん!買ったのは私なんだから!」と笑っていらした。
 そんなかけがえのない相手を亡くされたって、一体どういう思いなんだろう。考えただけで涙が出そうだ。T先生より1つ若いはずなのだから、50に手が届くか届かないか。そんなにも早く、どうして人生を手放さなければならなかったのだろう。ここで心配するほかに、一体何が私に出来るのだろうか。