スーツとネクタイの効能

 弟と従兄弟達がそろうのが1時過ぎ…ということだったので、昼までぐったりとしている予定が11時に祖母から電話。「迎えに行く準備出来た〜!?」 ……早すぎですおばあ様。それでも12時20分に出かけることにして、うだうだと準備を始める。当然早くに新幹線口に着いてしまい、従兄弟達が来るまでに20分、弟が来るまでにさらに20分改札で立ちっぱなしである。平気なんだからスゴイよなあ。
 今回は祖父母、父母、叔母、私、従兄弟のY(♂)、弟の8人。6時に夕ご飯予約してあるから、それまでに弟の就職祝い&Yくん1周年記念(!?)のスーツを買いに行くぞ!という予定。このメンバーだと大抵珍道中になるのだが、今回もご多分に漏れず。デパートの駐車場に入るのに時間がかかりすぎて、駐車してすぐ父は仕事に出かけた。2時過ぎ。「昼ご飯食べる予定だったんだから!」と祖母が突っ走って予定していたお店に入ってしまう。追いついてみれば、まともに注文していた。6時からご飯なんでしょ?軽くでしょ…? 食べてスーツ屋さんでまた大騒ぎ。オーダーメイドのスーツってああやって作るんだ…。初めて見た。何故か巻き込まれて自分の服も買ってもらってしまい、慌てる。春物だ〜。
 地下で明日の朝ご飯を少し買って6時ちょっと過ぎに父と合流、予約のお店に。大騒ぎして帰ったのが9時過ぎ。そこからふと母が気づく。「そういえば、じいちゃんの古いスーツ、Yに入るんじゃない?」 良いアイデアだな、と祖父も乗り気で自分が勤めていた頃のスーツをいくつか引っ張り出してくると部屋を出て行った。祖父が勤めていた頃って、私小学生の前半だから覚えてないなあ…と言うと、母と叔母(両方祖父の娘)が微妙な顔をし始めた。おかしいな、と思った瞬間に祖父登場。ご満悦でスーツを3着抱えている。全員で声を揃える。
「うわ!派手!!」
 えーっと…スーツって紺とかグレーとか黒とか…で、薄いラインが入っていたりするものだと思っていたんですけど。茶系とか(見たことはあるけどね)、紺だけど白と赤のラインが入っていたりとか(Yくん見て一言「南国の魚みたい!」)。大爆笑。サイズそのものはYくんにぴったりなんだけど、Yくんが微妙な顔をして試着するのが笑えて笑えて。結局、うちの父の着られなくなったスーツも同じサイズだということに気づいたので、そっちを試着してみてYくんはほっとしていた。
 が。いつの間にか祖父がいない。今度は何をもってくるんだとみんなが冷や冷やし始めた頃、めっちゃ笑顔で祖父が戻ってくる。
「ネクタイ持ってきたぞ」
「うわ!!ゴールド!?シルバー!?」
 えーっと…。まあ、元々派手好み(というか変わった服大好き)の祖父だったのだけど…派手派手です。で、ほとんどのネクタイに食べ物のシミまで付いてるんですが(苦笑) お腹が痛くなるくらいに笑って、Yくんが青ざめた頃、何故か弟が喜々としてそのネクタイを試し始めた。で、お前は何故似合う? 小学校の頃から制服にネクタイが付いていたので慣れている弟ではあるのだが、金色とか、緑のラメとかのネクタイが似合う弟だとは…姉は26年間知りませんでしたが。3月に親族一同が集まる食事会があるのだが、そこにつけていくのだと張り切り始めた。「僕、これかなあ。Yくんはどれ? 父はこれよね!おじちゃんはどれがいいかな…」 
 結論。スーツとネクタイ。一見して腹を抱えて笑う物だと初めて知りました。