梅狩り?

 卓球の奥様仲間に誘われて、梅の実を採りに行くことに。驚くことに、その奥様・くわさんの裏山で、である。すげー、裏山があるんだ…。わざわざくわさんが迎えに来てくださってお宅までお邪魔し、くわさんのピアノの先生と一緒に3人でお昼ご飯までご馳走になってしまう。しかもお昼ご飯の準備中に「野生のミツバあるよ。一緒に採りに行く?」と庭のはずれに行って採ってきたり「ちょっとネギとってくるねー」と玄関の横でちょきちょきしてたり。うーわー、ホントに何でもある…。
 3人で食事している間、気さくな奥様たちなのであれこれおしゃべり。広島から来たといったら「まー、都会からこんなところまで…よく決心したねぇ」と言われた。うん、みんなに言われます。
 さて1時になったのでそろそろ働こうか!と3人でちょっと山を登る。50mほど分け入った所に大きな梅の木があってびっくり。しかもざらんざらんなっている。「去年はぜーんぜん実がならなかったんだけど、今年はなり年だね!」とくわさん。へぇ〜。届くところを手で採ってしまってから、高いところは高枝切りバサミで。なぜか持ち主のくわさんが身のついた枝を高所からぼとぼと切って落とすので、交代させてもらって私が切る。一度使ったことあるしねぇ。初めは向きが解らなくて落としてしまったけど、2回目からはちゃんと枝をはさみで保持してうまく下ろす。そしたら「え〜!?上手だねぇ!!ホントに都会から来たの!?」と言われてしまった。何ですかその基準は…(苦笑)
 疲れもあるけど、本当に実がたくさんあって、だんだんと3人が無口になってくる。意地で採り続ける。でも終わらない…。スーパーの特大ビニール袋4つと10Lバケツ1杯が満タンになった頃、さすがにぐったり疲れて帰る話が出てきた。
綾「さすがに疲れましたね。首痛いです…」
先「そうだねー。そろそろ戻る〜?」
く「戻る?疲れたね〜。でも奥にもう1本梅の木あるんだけど…」
先「………き…聞かなかったことにしよう」
綾「………。」
 さすがにね〜、と戻りかけた頃、もう一人奥様登場。
「来たよ〜!長袖も軍手も完全武装だよ!」
『もう帰るよ〜…』
「えー!?遅かった!?」
 庭先に帰ってみたらすでに3時前だった。2時間もやってたのか…。そのまま庭先で大きさや赤くなり具合で分ける作業に。途中でもう一人の卓球奥様仲間・いくさん登場。開口一番「綾戸さん、こき使われてない?」「いえ!そんなことないですよー」 こき使うってまた…と笑っていたら、後でその意味が解った。
 選別作業中にそれぞれお子ちゃまたちが帰ってくる。その上「こんにちはー」とかばんを抱えて来た男の子2人。どうやらくわさん、家で簡単な塾も開いていて、お友達の子どもに教えているらしい。「こんにちはー」と挨拶しながら立ち上がったくわさん、私をさしてその子達に言う。
「この人ね、新しい先生。綾戸先生。教わりたい?」
 …へ?と目が点になっている私を後目に、お子ちゃま達は「そうなの?うん、教わりたい〜!」と素直な返事。「そっかー。じゃあ、今日教えてもらおうね〜♪」「うん!」 おいおいおいおいおいおい。横でいくさんが「ほら、使われてる…」と苦笑いしていた。
 しょうがないので家に上がって男の子2人相手に算数の勉強。一人は5年生で小数のかけ算、もう一人は3年生で割り算。それぞれ新しく教えないといけない。まー、やっている間に何となくいろいろ思い出してきて、ちょっと楽しくなり始める。最初はため口だった5年生の子がなぜか途中から敬語になった。もちろん勉強は楽しくできていたらしい。うん、いい感覚。
 4時半にはちょっと用事があったので私の方が先に帰らせてもらったのだが、今日はホントに一日中実。梅も10Lバケツに8分目くらいいただきました。わーい。明日お母様と漬けよう。