ありがたい日

 三十路の大台に乗るとなると、誕生日も全然ありがたくないもので。
 それでも、卓球の仲間が「旦那さんに聞いたよ〜。おめでとう!」とメールをくれた。照れくさくても、嬉しくなる。新たなメンバーだけではなく、毎年メールをくれていた師匠が、今年も忘れずにメールを送ってくれた。覚えていてくれたのか、それだけで笑みがこぼれる。
 昼過ぎから旦那の実家に行く。ホールのケーキを準備してくださっていて、しかも夕飯までごちそうになる。遠くから、それこそどこの馬の骨とも解らない人間が嫁に来たというのに、家族として歓迎してくれて息子の誕生日以上のお祝いをしてくれる。何てありがたいんだろう。
 「年を鯖読み始めたらオバサンライフのスタート」と思っているので、三十路は三十路だし開き直って楽しもうと思っているけれど、その始まりがこれだけいい一日だったということが幸せなのだと思う。