オトナ気ない

 朝外に出てみれば、駐車場の車の窓は氷がびっしり。2時間目から外で体育なんてどうなるかと思っていたけど、気温が上がって日差しも暖かいし、ソフトボール日和だった。今日はソフトボール最後。試合をしてみようということになった。ま、経験者もいるし普段から野球で遊んでいる子もいるし、大体が男の子が多いので何とか形にはなる。27人を4チームに分けるので、1チームだけ6人になってしまった。さすがに守備が苦しかろうというので私がそこに入る。げー!とお子ちゃまたちの悲鳴が上がる中、
 「大丈夫。私ソフトやったことないから。戦力にならんよ」
 と言っておく。いや、ホントにないんだってば。プラスチックバットとテニスボールで野球in家の前の駐車場はしてたけど。7人が守備につく。キャッチャーは攻めてる方のチームのできる子にさせる。この場合もちろんホームスチールとか禁止。
 私が入ったチームは男の子5人、女の子1人。この女の子はスポーツがよくできるので大丈夫として、男の子が1人完全に戦力外なので私がフォローに回る。守備範囲センターとライトとショートか…広いな…。体育の授業では投げた球を打つのが初めてとあって、なかなか外野までボールは飛んでこない。それは救い。しかし2点入れられ、ようやくチェンジ。 
 男の子たちが先に打つ。というより、打順はさっき偶然並んだ順番(苦笑) 1番セカンドライナー。もちろん落として1塁。2番上がっちゃったファーストフライ、取られて1アウト。3・4・5クリーンアップはきっちりシングルヒットで1点。6番空振り三振。で、満塁で私に回るか…。外野の子が後ろに下がった。あんまり期待しないでよ〜と思っていたら…第1球を振りぬいたら「ぱきーん!!」とものすごい金属バットの音がして、ピッチャーの顔の横を抜けるライナーがグランドの端まで飛んでった。…ごめん、大人げないヒット打ったかも…。てか、ピッチャーに当たらなくてよかった。というわけで満塁ランニングホームラン。ふと校舎を見上げると、2階の窓から隣のS先生の顔が…しまった。
 お子ちゃま達は「俺もあんな音で打ちたい!」と前向きに頑張っていた。いい子だ。で、授業時間を終えて職員室に戻ってきた私を見てS先生がにやり一言。「打ってたねぇ」 はい、もうちょっと手加減がいるようです…でもこれ以上手加減したら空振りしそうな気がする。