授業研究会顛末。

 学校関係者以外の皆様にはなじみの薄い言葉。授業研究会。要するに先生同士で授業の見せ合いをして授業の作り方等々について研究していこうというもの。ただ何となく授業をするのではなく指導案という書類を作って細々と見られるので、みんなあんまり進んではやらない物(だと思う)。他県ではこれでかなりいじめられる(というか、厳しく指導される)という話だが、うちの県はそんなにきついことはしない。ま、何にせよ勉強にはなる。
 学年で1人授業をしなさいという取り決めになっていて、「綾戸さん若いんだから。行け」とお父ちゃんに言われ、そう言われてしまえばどうにもできないので引き受けたのだが(他学年では誰がやるかで喧嘩になったらしい。そうなるよりはマシ)、国語の授業研なんて教育実習以来だし他県の大学だったので指導案の書き方も違うし、泣きそうになりながら準備をしていた。
 金曜日。あれこれ準備をし終わって一息ついていたら「あとは、綾戸さんが元気に月曜日にくるだけだね」と言われた。
綾「えー!…んーと、おなか痛くなる予定なんで〜♪」
と笑ったら、YM先生(お父ちゃん)とU先生(お母ちゃん)は「じゃあYSさん(お姉さん)が代わりに授業ね♪」とものすごいコンビネーションで押しつけ、当のYS先生は
「ダメよ!午前中は私が子ども面倒見てあげるから休んで良いよ。
 でも、午後は迎えに行くからね!連れて行くよ!」
 と私を脅して(?)いた。何だか、不登校の子の気分(苦笑)
 昨日まで散々だぁに「イヤだ。学校行くのイヤ。授業するのイヤ!!」とごねまくり、今朝もごねたけど結局渋々登校。書類をYS先生と印刷する。
綾「あ。おなか痛くなるの忘れてたなぁ…」
YS「ダメよ〜。先生休んだら、バスに乗っていくからね」
綾「バス…??」
YS「そうよ♪1台目のバスには2−3の子どもみんな乗っけてね。
  はーい、みんな、こっちですよ〜♪って連れて行くから!」
綾「………Σ( ̄□ ̄;」
YS「で、2台目のバスには先生達全員と移動黒板乗せて行ってね!
  青空教室。今日はここでやりますよ〜!って♪」
綾「………………ご、ごめんなさい。もう言いません」
 私、あの先生には一生勝てない気がする。
 子ども達は1時間目から脅されている。「今日は学校中の先生達が、あなた達を!見に来て下さるんだからね。その姿勢見てもらう?」「やだ!」全員の姿勢が伸びるのがまだ可愛い。で、落ち着かない午前中を生徒・教師ともども送る。掃除時間は、教室掃除がびしびしに檄を飛ばされ、人海戦術でぴかぴかに。この頃から蒸し暑いし風は止んじゃうし、全員が汗だく。落ち着いて座って、軽くゲームをしながら授業時間が始まるのを待っていた。
 授業は、『スイミー』。私が小学生の頃からあったなこの教材。今の子には「ドロップ」すら通じないのだが…。で、今日のために「虹色のゼリーのようなくらげ」「水中ブルドーザーのようないせえび」の絵をそれぞれの子ども達が描いていて、しかも黒板に貼り付けた水色の模造紙にそれを貼っていくのだから、お子ちゃま達は嬉しくてノリノリ。34人の子どもと担任の上に今日は後ろにみっしりと先生達が入っているので蒸し風呂のような教室なのだが、昼寝をかますモノもおらず、ほぼ全員が発表するという快挙を成し遂げて終わった。
 ダッシュでお子ちゃま達を帰し、反省会。クーラーの効いた図書室が嬉しいが、今度は一人前に座らされて冷や汗をかく。それでも、お子ちゃま達が頑張ったので「よくあの蒸し暑い中、しかも午後の一番しんどいときに頑張ったねぇ!」とほめてもらった。あと「若いっていいねぇ」とほめてもらった。あとはあれこれ注意されてばっかり…(苦笑) えーと…私の授業の取り柄は…?
 とりあえず、終わったので、ようやくほっと一息。…でも、終業式まで実質あと17日。成績…ホントにつけられるのかなぁ…。