ロンドン市内フリー

 朝、ポーターさんが来るまでに…と慌てて母と部屋の外に荷物を出していると、後ろで「がちゃん」という音がした。二人そろって思わず「あ。」と振り返る。
「持ってる?」
「持ってない…」
「ぎゃー!どうしよう〜!」
お察しの通り、ついうっかりオートロックのドアにキーの閉じ込みをやってしまったのでした。あーあー…。母がフロントに行っている間、弟の荷物に入っていた水があふれているのも発見。父の機嫌が悪くなるという最悪の一日の始まり。さい先悪っ。
 母が帰ってくるのを待つ間、いきなりホテルの掃除おばさんが部屋に入ってきて、「sorry!」と謝って出て行った。呆然としていると、向かいの父と弟の部屋からも同じ音が。フロントに確認せずに入って確かめてるのか? 新婚夫婦のお楽しみ中とかだったらどうするつもりなんだろう。
 とりあえず無事に鍵は作ってもらえて一安心。さっさと出かけることにする。今日の目的地は聖ポール寺院と大英博物館、ナショナルギャラリー。行けたらアフタヌーンティも。
 まずは地下鉄で聖ポール寺院へ。テロ事件もあってどきどきしたし、事件のあったピカデリーラインに乗るのでかなり恐かったのだけど、みんなふつうに乗っていた。駅を警察の人がたくさんうろうろしている以外は。日本の地下鉄より天井が低い感じ。背の高い人がちょっとかわいそうなくらい。網棚はない。電車そのものが円柱のような形をしてる。さすがチューブ(笑)
 聖ポール寺院はロンドン市内が見渡せるという塔があると聞いて行ったのだが、500段以上の階段を上っていかなければいけないという。げー。ゼエハアしながら300段ちょっとの所にある回廊まで上がって、見回してみる。雰囲気は味わった。もういい(苦笑)弟は上まで上がってきて、「おしりがむずむずするくらい高かった」と堪能した模様。

ロンドン名物霧の向こうにタワーブリッジ
 ロンドン名物二階建てバスに乗ってトラファルガー広場まで。ナショナルギャラリーはそこにある。トラファルガー広場は、こないだオリンピックの開催地が決まったときにものすごく人が集まってみんなで喜んでいた場所。でっかいネルソン提督の銅像もある。
 ナショナルギャラリーは、大英博物館の収集品から絵画を集めた場所。世界三大美術館の一つなんだそうな。でも開放しているフロアは意外と狭い。うちの家族はそれぞれペースや趣味がちがうので、全員が時計を持って「12時に1階のカフェに集合ね」と解散。私は腰が痛かったこともあり、ぼーっと知っている絵を見つけてはそこの近くのソファに座り込んで見ていた。順路というものはなく、迷路のような部屋になっているので、同じ絵を何回も見るし、後から聞いて「え〜!?その絵あったの!?好きなのに!見たかった!!」というものあった。(←綾戸にはすっごい好きな絵があるのだが、このパターンにはまって見られなかった。ナショナルギャラリーを出て2時間後とかに言うな) 早めにおみやげ屋さんを覗いておみやげを買って、カフェでのんびり…のつもりが、注文の仕方が分からない。おろおろしていたら優しいお兄さんが席に着かせてくれてメニューを持ってきてくれた。すごくおいしかった〜。
 大英博物館2回目。父は一人でどっかの駅に電車の写真を撮りに行ってしまった。私が借りた携帯を取り上げて。電車小僧だったなんて初めて聞いたぞ? 歴史大好きの弟はあっという間にどっかに消えてしまう。母と私は弟の携帯を握りしめ、父からの連絡を待ちながら二人でうろうろする。

ロゼッタストーンとくさび形文字。
 エジプトやギリシャからいろんなものを「返してくれ」と言われている大英博物館は、その昔いろんな人たちやお金持ちが勝手にイギリスに持って帰ってしまった収集品を展示している所。ロゼッタストーンしかり、パルテノン神殿のかけらしかり、トーテムポールしかり。あまりのことに「どうせならイースター島のモアイとかも持って帰っちゃえば良かったのに!」と母が言った瞬間、目の前にモアイが現れた。ホントに。いたよ…。ちょっと小さめのモノではあったけれど。母は大爆笑してモアイと一緒に写真を撮っていた。大英博物館もどこに行けば何があるのかよく分からない。案内図もアバウトな上に英語なので分からない。でも、ふら〜っと歩いていると目の前に見たこと・聞いたことがある物が現れるのが面白かったりする。1日じゃとうてい回りきれないというが、多分1/10も見てないんだろうなあ。
 アフタヌーンティにもちゃんと行って、おいしい紅茶を飲んで帰る。
 あとはまた飛行機にずーっと揺られたら、もう17日じゃなくて18日の夜に日本着。くたくた。