後半戦突入。

 3泊4日の旅も3日目に突入。
 下田から今日の目的地修善寺に向かうのに、ルートが2つ。伊豆半島の真ん中を突っ切って天城越えをしながら向かうか、西海岸を通って真ん中辺りから修善寺へ折れるか。当初の予定としては天城越えをしながら「滝が見たいな」「イノシシの肉が食べられるかな」と言ってはいたのだけれど…七滝(ななだる)と呼ばれる7つの滝も浄連の滝も、やっぱり山道を結構歩かないと見られない。それに今は紅葉の時期でもない。西伊豆を回ると、やっぱり山道を少し歩くけど蘭センターがある。歩く距離と見るものを考えて、西伊豆回りで堂ヶ島蘭センターに行くことに。
 途中の道の駅で何故かお土産が増えつつ(そろそろ海のトランクが限界だ)到着。登るのはほとんどがエスカレーターなので「ココは偉いのぅ」と祖父もほめていた。一度来たことがあるのだけれど、今回は桜にちなんだイベントをやっていた。山桜の木に紫のデンドロビウムを根っこごと千株ほどくくりつけて「ランの枝垂桜」だそうで。壮観。携帯のカメラには写りきらなかった。それから桜色の珍しいランの展示。
  
淡いピンクから濃いピンクまで様々。微妙な色合いはなかなか出ないのが残念だけれど…。
 ココで事件発生。建物と建物をつなぐ山道を歩いていて、祖父が面白い形の石を見つけた。本人は「ワニの頭みたいだ」と気に入って拾って帰ろうとしたのだけれど、持っているのに気づいた祖母が「人様の土地で勝手に石を拾うものじゃない」と激怒。確かに祖母の言い分が正しいのだけど、握った手に収まるほどの小さなものだし…とお手洗いを見つけて洗って私のかばんに隠そうとしたら、もうない。祖父に聞くと「怒られたから捨てた」とすね気味。しばらくして「山道上がって酸欠になりそうだ」と言い出して、慌てて引き返す。喫茶スペースでジュースを飲んで人心地ついたら「(祖母に)怒られて気に入った石を捨てたら頭が白くなった」とぼやいていた。で、また祖母に怒られる…。いつものことといえばいつものことなのだけれど、母や叔母のように笑い飛ばせない孫娘とその婿ではフォローが大変。
 昼ご飯にイノシシ食べる?と祖父に聞いてみたら「大して気分も良くないし、修善寺のそばでいい」と言い出したので、修善寺に車を飛ばす。その後でワイナリーへ行って機嫌を直してもらおう。
 そばはとってもおいしかった。修善寺でそばを食べると何故か修行したのと同じことになるそうだ…。さすが修善寺で、わさびがどかーんと。

綾戸はわさび嫌いなのでそのままで食べたけど、祖父と旦那は自分でわさびを摩り下ろして(おろし金までついている)味わっていた。小さめのざるが1枚とたっぷりの薬味、それから小鉢の山かけ月見そばまでついている。腹8分目でちょうどいいなぁと思っていたら、あとの3人はもう1枚追加していた。糖尿は大丈夫なんですか!?今週末病院で検査とか言ってませんでしたか!?(「怒られるのはわかってるからいいんだ」という開き直りもどうかと思う)
 そばを食べ終わって薬を飲む祖母を見ながら「車の中に置いてきたな」という祖父。祖父の昼の薬は大したことないからまあ後でも…。じゃあ機嫌直しにワイナリーへ行きますか。結構山道をどんどこ車で入っていったところに広いブドウ畑。巨峰という種類を生み出したのはココなのだとか。へぇ〜。14種類のワインとぶどうジュースを試飲できるとのことなので、祖父の足が速い速い。えーっと、昼の薬は痛風のだったような…。ビールよりはましか。バーのカウンターみたいなところにお姉さんがいて、「これ飲みたい」と言ったらグラスに一口注いでくれる。3人であれこれ試飲してる横で、運転手綾戸は気分だけぶどうジュース。甘い。ここで気に入ったものを見つけて、売店で買えるシステムになっている。味の好き嫌いがあるから、自分で気に入ったものを買えるのはいいことだ。お気に入りを見つけて売店コーナーをうろうろ。お土産をここでも買っている祖母に付き合っていたら、祖父を見失った。しまった、目を離すとどこに行くか分からないって母に言われてたのに! 売店を慌てて出ると、試飲コーナーをうろつく祖父の背中。いたよ…。「また飲ませてもらってたの?」と聞いたらニカッと笑って「薬を飲もうと思っての。これで飲んでもいいかと聞いたら、水くれた♪」 ワインで痛風の薬を飲むつもりだったわけ…?
 一口ずつだからそんなにたくさんも飲めないわけで、「三次のワイナリーは手酌できたのに…」とこっそり文句をつける祖父をなだめてワイナリーを出る。試飲でしこたま飲もうと思わないでくださいな。途中の道に「しいたけ狩り」の看板を見つけて今度は祖母が行きたいと言いはじめた。確かに珍しい…かな。行ってみると、かなり大きなハウスにめいっぱいの木(名前忘れたな…ほだ木?)。そこからぼこぼこ生えているしいたけ。取ったものをその場でバーベキューも出来るみたいだけど、そこまでは…それに4人でいっぱい取っても持って帰りにくいので、300g1050円のコースを4人でちょっとずつ。おばちゃんがしいたけ講習をしてくれたのが結構面白かった。冬は肉厚なんだって。採るのには結構力がいる。感心しつつ採ってたら300gをはるかに超えてたけど、おばちゃんがサービスでさらに加えてくれた。ありがとー。満足して修善寺温泉へ。
 修善寺のお寺は名前が微妙に違う修禅寺。川の中に温泉があるのが有名なのだけど、20年前に祖父母が来たときには入れた温泉が、今はあれこれ法に引っかかるそうで足湯になっていた。祖父は「昔入ったからいい」と言い、祖母は私に習って足湯デビュー。ピースサインで写真に納まった。
 宿に入ったらまた祖父の機嫌が悪くて…以前泊まったのが川を見下ろすような部屋だったらしいのだが、今回は「山しか見えん!」と怒り始め、部屋付きの仲居さんがまた礼儀が全然出来ない人で…。せっかくワイナリーで機嫌を直してもらったのになぁと思いつつ、祖父の文句に怒り始めた祖母とのクッションを買って出る神経はすでに擦り切れていて、適当になだめつつ部屋へ逃げた。まあ、疲れも溜まってるだろうしなぁ…。