おばあちゃんへ。

 おばあちゃん、今日はお彼岸の中日だよ。そんな日におじいちゃんトコへ行かなくてもいいじゃないか。友引が絡んじゃって、みんなが日程でてんやわんやするところまでおじいちゃんと一緒だもんなあ。でも、いつもおじいちゃんの横でニコニコしてたおばあちゃんらしいと言えばらしいのかな。
 朝、おかんから電話で聞いた時には泣けなかったよ。二度寝してたちびは電話で起きちゃうし、洗濯の途中でそっち行く準備しなくちゃいけなくなったし…なんだか、何からしていいか解らなくなって、困ったよ。お彼岸だから、お義母さんがおはぎ作ってくれて、あちこち届けに回るのもあったからドタバタだった。
 ずっと泣かずに過ごしてたのに、ちびをようやく寝かしつけた今になってぽろぽろ出てくるのね。おばあちゃん笑った顔しか浮かんでこないのに。怒った所見たことないけどさ。
 一度だけ、広島にいとこ達と遊びに来てくれたことがあったね。よく覚えてる。朝起きたらおばあちゃん、ソファで正座して、孫4人が寝てるのニコニコして見てたよね。私が俯せに寝てたのを「カエルがつぶれてるみたいだったよ」って笑ったの、結構ショックだったんだよ。覚えてないでしょ。
 私、おばあちゃんのことあんまり知らないんだよ。誕生日も知らないし、ちゃんとした歳も知らない。もっとお話したかった。しとけばよかった。私のこと、ちょっとは覚えていてほしかった。
 明後日会いに行くよ。