有事への対応

 土曜日のこと。父の運転で母とちびと買い物に行った帰り道。信号待ちの父がいきなり「あの助けてって何だ!?」と言い始めた。見れば、後ろに停まっているタクシーの表示(空車とか迎車とか出る所)に、確かに「助けて!」と書いてある。明るいから分かりにくいけど、行灯もチカチカしている。おいおい…。
 信号が青になり、タクシーは隣の車線に移ってうちの車を抜いて行く。みんなで注目。でも運転手のおじさんは窓枠に肘をついてゆったりしてるし、お客のお兄さんも普通っぽい。う〜ん…何もないのを装ってる感じでもないし。警察に知らせないといけないか?タクシー会社に…って個人タクシーじゃダメか…どうするかな…と考えこんでいたら、うちの車の前に入って来て信号でまた停まった。「教えて来るわ」と父がドアを開けた。
綾「刺されないでね〜」
母「刺されたら痛いよ〜」
と、心配してるんだか何だか解らない台詞で送り出された父は、スタスタと歩いてタクシーの運転席を覗き込み、一言二言話してすぐに戻ってきた。
綾「間違いだった?」
父「うん。助けてってついてるよ、って言ったら、え!?って…」
……まぁ、何にもなくてよかったんだけどさ。あの後、きっとお客のお兄さんとかなり気まずいよな、と別の心配はしたが。
 今回の対応が良かったのかどうかは悩める所。大事にならなかったのだから、間違ってはいないのだろうけど…あの状況で警察に囲まれても気の毒だし。だけど、もしあれがホントだったら、どこに連絡すればいいのか、かなりオタオタしたのは事実。今回は思わぬ訓練になったけど、そういうののマニュアルがあるとありがたいかなぁ、と思った。
 …とりあえず、運ちゃんとお兄さんに幸あれ(苦笑)